かしネコ

本文

椎野てまえ

短編

第二話

椎野家はありふれた家庭だ。家族構成は父、母、長女、そして長男である僕の四人。

昨今の不況の煽りを受け、母が若干節約マニアと化している面は否めないが、それも含めてどこにでもある、ごくごく平凡な中流家庭だ。


我が家の就寝時間は早い。たとえ週末でも、両親は十時には床に入る。

僕も健全な若者らしく、夜型の生活に憧れたこともあったが、結局は日をまたぐ頃には部屋の灯りを消してしまう。


今晩も、いつもと変わらない夜だった。しんと静まり返り、暗闇を流れるゆるやかな空気だけがほのかに感じられる。

その中で、かすかに軋む床板の音が、やけに大きく響いた。

「——まーくん、起きてる?」

扉の向こうから押し殺した声が聞こえてくる。返事を待たず、ゆっくりと扉が開けられる。

椎野てまえ。椎野家の長女で、ふたつ違いの、僕の、姉。

「寝てる、よね」

すり足の音が近付く。僕の顔を覗き込んでいるようだ。

「起きちゃダメだから、ね」

耳元で囁き、ベッドに乗りかかる。四つん這いで、覆い被さるように身を寄せて、ためらうことなく、唇を重ねた。潤いをたたえた柔らかな果肉が、瞳を閉じたままの僕の感覚を鋭敏にしていく。

「んむっ♥」

そっと顔を離すと、彼女は足元の方へにじり寄った。毛布をまくり、僕の下半身を包むパジャマに手をかける。

「えへへ……脱がすよ」

やはり返事を待つことなく、パジャマが下着ごと、膝までずり落とされた、その瞬間、

「ぁン——っ」

何かがゴムのように勢いよく跳ねて、ペチンと彼女の頬を叩いた。

「ふふ……眠ってるはずなのに、こんなにしちゃってるんだぁ♥」

僕のペニスは、先程の口付けで既に勃起していた。

恥ずかしながら仮性包茎のそれは、自分でも信じられないほどに硬く、大きく天を突いている。包皮の先端が亀頭に引っかかり、張り詰めた茎には太い血管が浮かび上がって、まるで別の生き物のように脈動していた。彼女に触れられると、いつもこうだ。

「昔は、あーんなにちっちゃくて可愛かったのに」

わずかに衣擦れの音が聞こえる。数拍置いて、しっとりと吸い付くような感触がペニスを包んだ。

「ん……あったかい♥」

昔はあんなに小さくて可愛かった彼女の乳房も、今では太く長い肉棒をすっかり谷間に飲み込んで隠してしまえるほどに成長していて。同年代の女子と比べたって、過剰供給と言ってもいいくらいに、たくましく栄養を蓄えている。もちろん、これはこれでとても可愛らしいのだけれど。

「まーくんのおち○ぽ、ドクドクしてるぅ……」

脇を締めて、胸をペニスに密着させる。彼女に僕の鼓動が伝わっているように、僕にも、彼女の激しく高鳴っている鼓動が乳肉越しに伝わってくる。

それにしても、実の姉が腰の上で『おち○ぽ』だなんて口走っているこの状況を、弟としては普通どういった思いで受け止めればよいのだろう。ただ、彼女のそういう台詞に僕の『おち○ぽ』が浅ましく反応してしまうのは事実で——

「あ。おつゆが出てきたよ」

じわりと滲むカウパーを指ですくわれる。どうやら糸を引かせて遊んでいるようで、彼女は楽しげに笑った。

「あはっ、ねばねばぁ〜♥」

口元から漏れる生ぬるい吐息が、濡れた鈴口を撫でる。自らの肉棒が、一層膨張したような気がした。

「……もう、我慢できない?」

彼女は悪戯っぽく問いかける。もちろん、僕は答えることなどしない。どうせ、彼女にはすべてお見通しなのだから。

「それじゃ、お姉ちゃんが気持ちよーくしてあげるねぇ」

掌で乳房を抱え、更に谷間を圧迫する。ペニスが心地よく締め上げられ、乱れそうになる呼吸を僕はなんとか押しとどめた。

「ふぅっ……ンっ……ぅんッ♥」

ゆるやかなリズムに乗せて、二つの肉塊を上下に弾ませる。

「どう、かなぁ……上手くなったでしょ」

言葉に、僅かに媚びるような響きが含まれていた。彼女も次第に感じてきているようだ。

「おっぱい、急におっきくなってきちゃったときは……ッ、どうしようかと思ったけど……」

一方的に語りかけながらも、僕のペニスを刺激することは忘れない。左右の乳房を互い違いに、こねるように円を描いて中心に寄せていく。

「まーくんが、こんなに悦んで……くれるなら……私ッ」

カウパーが更に溢れ出し、深い谷間と包皮に染み込んでいく。にちゃっ、にちゃ——といやらしい音が隙間から漏れた。

「私……もっとまーくんに気持ちよくなって欲しい——ッ」

竿を締め付ける力が、一層強くなった。自らの肩を抱いて、両腕の内で乳房を思い切り圧しているのだろう。そのまま、彼女は勢いよく上半身を揺らし始めた。今までの穏やかなものとは違う、下腹部から全身に電撃が走るような鋭い快感が僕を襲った。

「ぁっ……ンあっ!」

回した腕に乳首が強く擦れでもしたのか、小さくも甲高い悲鳴が上がる。

「やッ——あぁっ、私も、気持ちよく……なっちゃうぅ♥」

彼女と一緒に快楽の渦に飲み込まれていく——そう実感した瞬間、僕の頭は真っ白になって、

「きゃぁんッ!?」

精液が尿道を駆け上って、鈴口から噴き出した。突然のことに彼女の身体は硬直し、避ける間もなく第二射、第三射が舞い上がる。

「ひゃっ、あッ——ふぁあン……っ」

我ながら、その夥しい量は尋常ではなく。ポタ、ポタと彼女の顔を撃ったらしい精液が滴り落ちる音が、誰も動かなくなった部屋に静かに響いた。

「んもぉ……早過ぎだよ」

暫しの沈黙の後に、恨みがましく彼女は言った。

「髪も顎も、もうドロッドロ……顔に出すなんて聞いてないよぅ」

あらかじめ言っておけば受け入れてくれたのだろうか——姉のことだ、受け入れてくれるんだろう。しかし、彼女は予定を狂わされてお冠らしく、

「……今日は、まーくんのおち○ぽ汁ぜーんぶ飲みたかったのに」

などと、ぶつぶつ呟いている。

「第一、まーくんはいつもいっつも——」

すっかりお説教モードに入ってしまった。一応、僕はぐっすりと眠っていることになっていて、瞼を開くことも、声を上げることもしていないのだけれど。そもそも、こんなにあっさりと射精してしまったのはひとえに彼女の胸の刺激が強過ぎたせいであって、どちらかと言えば僕の方が、手心というものを知らない彼女に文句を言いたい気分なのだけれど。

「ちょっとまーくん……聞いてるの!?」

不意に、一度射精して敏感になっていたペニスをきつく握り締められた。痛みに飛び起きそうになるが、必死に堪える。

「せっかく私が話してるのに、おち○ぽこんなにしちゃって……」

彼女の言う通り、先程絶頂を迎えたばかりのはずの肉茎は未だ萎えることなく、力強く天を突いていた。精液で滑る表面を、彼女の指先が這い蠢いて、

「いつから、」

上に、「こんなに、」

下に、「いやらしいコに、」

上に、「なっちゃったのよぉ……?」

下、根元まで一気に包皮を引っ張られ、つるんと亀頭が全身を露出させる。不遠慮にしごかれて、ペニスは激しく脈打って再びカウパーを溢れさせてしまった。

「んふふっ……こーんなエロエロな弟クンには、お仕置きが必要だよねぇ……?」

その台詞は、吐息が裏筋に触れるほどに近くから発せられて、

「いただきまぁ、ふ♥」

言うが早いか、亀頭が生温かい肉の袋に覆われた。唇をきゅっとすぼめて、口腔に溜められた唾液に浸されていく。

「ンっ……」

濡れた粘膜同士が擦れ合う。思わず声を上げそうになるのを、またも僕は静かに唇を噛んで耐えた。

「ンぷっ……ん、にがぁい……しょっぷぁあい……おいひぃ♥」

雄汁の混合液など、決して快い味ではないはずだが、彼女の鼻息は荒く、一層の色香を含んで陰毛を撫でた。

「ふぅっ……んっ、ンむ……っ」

付け根にも彼女の細い指先が伸びる。裏筋をなぞり、陰嚢をつまみ、睾丸を転がして、牛の乳を搾るように肉茎全体がマッサージされる。

「もっと、もぉっと……きもひよふしてあげるねぇ……」

掌を竿から離し、僕の腰に据える。やはり亀頭を咥えたまま、ゆっくりと息を整えた。そして——

「んウ゛っ——!!」

自らの喉を、思い切り僕のペニスで貫いた。唇が根元に達し、亀頭が食道に肉薄する。

「ぐッ……むぷ……」

一拍置いて、今度は勢いよく引き抜く。

「んはっ……ぁ……ンむ」

もう一度、最奥まで肉棒を受け入れ、激しい抽送を始めた。抱えた腰に鼻を打ち付けそうなほど、何度も何度も。くぐもった苦悶の喘ぎが、口内で響いてるのが感じられた。

「ふぅっ……う゛ゥ……くンっ!」

ピストンは次第に速度を増していく。彼女の全身が大きく揺れて、パイプベッドが悲鳴を上げる。

あまり大きい音を立てると両親が目を覚ましてしまいそうだが、彼女はもうそんなことに気を回している余裕はないようだった。

「むぷっ、ンっ、んぅッ、ふぐ……」

唇できつく絞り、舌で不規則に擦り、喉の肉に締め付けられて、僕の腰は小刻みに打ち震える。

未だ知らない女性の、彼女のも、こんな感触なのだろうか。頭の中で、普段見慣れている彼女の口元に、空想のヴァギナが重なり合うイメージを描いた途端、僕の中で何かが弾けた。

唇に立てた犬歯に一層の力を込めて、声が漏れるのを抑える。少しだけ、錆の味が滲んだ。

「——ンふぁう゛っ!?」

脈絡のない射精が再び。彼女も驚きを隠せない様子で、それでも、先端から幾筋も吐き出される白濁液をあますことなく、甲斐甲斐しく受け止める。

「ん、ンふ……ふぅゥん……♥」

うっとりとした鼻息を漏らし、ひとしきり放出しきって萎びたペニスから口を離す。

「んむッ——♥」

唐突に、僕の唇を再び柔らかい感触が襲った。

身を起こした彼女の口が割り開かれ、舌に乗せて、口腔に溜められていたザーメンとカウパーと唾液のカクテルが注がれる。切れた唇から滴る血とも混じり、何とも言えない様相を呈したが——不思議と、甘露を味わっているような気分だった。

「ぷは……んふ、お粗末さまでしたぁ♥」

心底満足げな声が、夜の闇に吸い込まれていった。


行為を終えた彼女は手早くパジャマと布団を元通りに整え、そそくさと自らの部屋に戻っていった——顔は、僕が思い切り精液を叩き付けたそのままのようだったが。

「おやすみ。……ありがと」

ドアが閉まる直前、確かにそう聞こえた気がした。


ひとり残された後も、僕の勃起は納まる気配がなかった。

顔に一度、口に一度、胸に二度、尻に一度、膣に三度。今夜も窓の外が白けるまで、僕は僕だけの虚構の中で、姉を犯し尽くした。


朝。明らかに寝不足だった僕は、目の下にくっきりとくまを作ってダイニングへ向かった。

「……おはよ」

「おはよう。寝坊だよ」

いつも通り何も変わった様子もなく、彼女は食卓について白米を頬張っている。

「ほら、早くご飯食べて」

「へいへーい。いただきま——痛っ」

「どうしたの?」

「いや、ちょっと、唇切っちゃって」

言うまでもなく、昨晩の後遺症だ。

「もう……ホントそそっかしいんだから」

呆れたように溜め息をつく彼女の顔を見て、少しだけ恨めしくなった。

「誰のせいだと……」

「ん、なぁに?」

「あ、やっ、何でも」

が、顔を覗き込まれた途端、そんな考えはあっさりと霧散してしまう。この姉には、到底適いそうもない。

「ふぅん……まぁいいや。薬塗ってあげるから、こっち来て」

席を立って、僕の腕を強引に引っ張る。

「いっ、いいよっ。自分でできるから」

「だーめ。マコトは不器用なんだから、お姉ちゃんがしてあげる♥」

本当に、適いそうもない。


今日も、ごくごくありふれた平凡な一日が始まる。

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